新しくするのではなく、古きよきモノを活かすために、 5年後、10年後も風化しないデザインを。

2016.01.20 /

天神の一角に、長年佇むビル。そのビルの顔とも言えるエントランス部分を改修工事することに。既に利用している人、これから入居を考えている方に、より良い空間になるように、オーナー、管理会社、理事会の思いを形にしました。

最初のさいしょ
天神ハイムは、警固神社からまっすぐ伸びる警固参道通りに面したところにある。天神に高い建物が少ない頃に建てられ、長い年月を経て賃貸マンションから、テナント、事務所、店舗と時代とともに変化した物件となった。
とある忘年会の席でのこと。たまたま金本社長と隣り合わせになった。金本社長もまた不動産業界に携わる一人だ。街づくりやデザインのこと、福岡の都市開発のことなど色々な話をしていく中で、天神ハイムのエントランス改修コンペをしていることを知った。トンカチに興味を持った金本社長から、「途中からではあるが、参加してみないか?」とオファーをいただき、初めて自社でコンペに参加することに。株式会社トンカチ design note 加藤 淳史

ふさわしいデザインとは…

 天神の中心地でありながらも、緑を感じる警固参道通り。「ふさわしいデザインとは何か?」と何回も語り合い、そして出した答えは、「五年後、十年後も風化しないデザイン」。長く使い込まれて味がある赤レンガタイルを残したまま、壁面をヒノキで囲い込んだ。それはまるで、前々からそこにあったように。無骨なh鋼は大胆に組み込み、天神ハイムの存在感を通りに際立たせた。そして、それぞれオイルを変えて塗ったヒノキは、年月を感じるように経年劣化を楽しめるデザインに。  新しくすることがベストではなく、古きよきモノは活かしながらも、新しいモノを組み込む。それはまさしく「五年後、十年後も風化しないデザイン」だろう。いや変わらないどころか、五年、十年と年月を重ねていくほど、味を増していくことを目指した。株式会社トンカチ design note 加藤 淳史

ビジュアライズ(表現力)の強さ

 「パースで世の中を変革する事はできない。しかし、変化のキッカケはパースからもできる!」という想いで、2012年に法人化したトンカチ。ビジュアライズ(表現力)の強さを武器に、企画・デザインとしてスタートした。今回、金本社長の要望は、通常のマンションから商業施設のエントランスにしたい、とのこと。そのためには理事会の承諾をいただく必要があった。そこで、トンカチはパースを作ることにした。理由は、これから天神ハイムを利用する人だけではなく、現在利用している人にも納得いただけるデザインを作ることが必要と感じたからだ。店舗を構える方もまた、エレベーターまでの通路が暗いので、明るくして欲しいという要望があった。この2つの要望をデザインに落とし込んだ。歩道からどう見えるのか、昼夜で雰囲気がどう変わるのか、図面と素材だけではわかりにくいイメージをパースを使用して説明。このコンペで弊社のデザインを採用していただけたのは、パースを使用し、金本社長、理事会、管理会社とイメージを共有できたからだと言ってもらえた。

株式会社トンカチ B5 Design 年賀状

形になるものとは

 これまで、トンカチとして関わったたくさんの案件の中には、形になったものならなかったものがある。その違いのひとつには、クライアントとどれだけイメージを共有・具現化できたかということがあるのかもしれない。その気づきを与えてくれた案件となった。

株式会社トンカチ B5 Design 年賀状

writing by takeshi migitera
client:株式会社ユニバーサル通商
produce:右寺武志(株式会社トンカチ
designデザインノート
support:大塚絵実子(株式会社トンカチ
photograph:加藤淳史(サンルゥヴァレンヌ)

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