どんなプロジェクトもひとつのロゴデザインからはじまる、強いコンセプトをアウトプットへ導くためのストーリー。

2017.11.15 /

株式会社ネオコルテックスは福岡で学生寮やホテル事業、薬膳レストランなど多岐に渡る事業を展開していく為に新たに設立された会社。今回、新設立の企業ロゴマークならびにホテル ノンレムのロゴマークデザインの依頼を受けることになった。

001_NONREM

強い意思とその奥にいるヒト

企業名の「ネオコルテックス」とは、医学用語で大脳新皮質という意味で、大脳の表面を占める皮質構造のうち進化的に新しい部分のこと。合理的で分析的な思考や言語機能をつかさどる場所で、知覚や運動の制御、未来の予想、計算、推理など、まさに知性を司るといっていい器官であり、人間であることの証明と言っても過言ではない。一方、ホテル名の「ノンレム」は「ノンレム睡眠」から由来していて、脳を休めるための眠りのこと。段階3や4と呼ばれるノンレム睡眠は、身体も脳も休んでいて、とても深い睡眠状態となる。また、この2つのネーミングの由来には代表取締役社長である松﨑氏の経歴が関係している。松﨑氏は理学療法士と鍼灸師という顔も持ち合わせている。そんな肩書きを持つヒトから選ばれた2つの名前を受け取った。

ネオコルテッックス_ロゴ

ヒトにだけ見えるもの

ネオコルテックスの企業ロゴマークには、有名な「ミュラー・リヤー錯視(線の両端に内向きの矢羽を付けたものと外向きの矢羽を付けたもの長さが違って見える錯覚)」をモチーフにしたロゴマークとした。錯視は、知性を司る発達した大脳新皮質を持つヒトだけに見える。人間以外の動物にとって、錯視はただの知覚にすぎず、人間だけが特定の知覚を選び出し「錯視」や「だまし絵」と呼ぶ。そのヒトにだけ見えるもの=ヒトにしかないもの、ヒトだからできるもの、松﨑氏というヒトだからできる企業になって欲しいという願いを込めた。また、このキーワードである「ヒト(人)」という字をロゴマークの中に組み込むこととした。

ホテルノンレム_ロゴ

文字の中にある記号

ホテル ノンレムのロゴマークは、ビジネスホテルという価格帯と西新という所在地を踏まえ、人懐っこさを意識したデザインを心がけた。英文字の「NONREM」という文字を整理し観察した時「Z」が3つ存在していることに気がついた。それを並べ、深い眠りをイメージさせる「ZZZ」という記号をロゴマークに。最後の文字であるMの中に存在する3つ目の「Z」は素直にそのまま並べることでアクセントとしてもいい役割を果たしている。ビジネスホテルに宿泊する人々の多くはビジネスや観光がメインであり、第一に求められることはぐっすりとした深い眠りなのである。それを言葉ではないモノで直感的に伝えることができるデザインとした。

ロゴマークは家紋のように末長く大切にされるものである…よく聞く言葉ではあるが、現代の人たちに取ってピンとくる言葉なのだろうか。

ロゴに限らず、デザインはひとつのモノであり、それをヒトが使い、初めてコトとなる。見た目のシンプルさとは裏腹に、重く深い意義を持つロゴマークやシンボル。そこから生まれるエネルギーは、膨大なヒトを突き動かし、多くのコトを生み出していく。そうしたアウトプットをしっかりとできるよう、ストーリーを構築し、それを伝えることが大切だと考えている。そのためには、家紋の大切さをしっかりと伝えることから心がけていきたい。

writing by Bungo Yamamoto

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