クローゼットから服を選ぶように自由にファッションを 楽しむ、そこには何の境界もない。

2016.10.11 /

ファッションがもつ力で社会と人をつないでいく。様々な人が社会で混ざり合い、それぞれの個性を尊重し合える未来を目指すエスプリローブの鈴木氏。そのおもいをしっかりと受け止め、ビジュアルデザインを通して、さらなる飛躍を願うプロジェクト。

003
存在しない引き出し
誰でも自由にファッションを楽しんで欲しい。仏語で「魂・精神(=エスプリ)」と、「衣(=ローブ)」 を組み合わせた造語である「エスプリローブ」は、ただの服作りだけにとどまらない活動を行っている。活動の中で、メディアに大きく取り上げられているものが車椅子ファッションだ。一般的に既製服の売り場にある服は「立位」で作られており、長時間「座位」で過ごす人々にとって、多くの問題点を抱えている。そんな人たちに、ファッションを楽しんでもらいたいとオーダーメイドのみならず、既製品のリメイクやコーディネートなども行うことで今まで存在しなかった新しい引き出しを作り出してきた。
imagebook01
強い反響から生まれたおもい
このプロジェクトは、当初車椅子ファッションのカタログデザインの依頼であった。しかし、進行するプロジェクトと同時に進む彼女を取り巻く環境に変化が起こる。車椅子ファッションばかりがメディアに取り上げられることで「障害者服デザイナー」と言われることがあったという。ひとりひとりが持つ課題を解決しながらファッションのデザインをしているだけなのに。彼女にとって障害健常は関係ない。『バリアフリー、ユニバーサル、その他諸々…ファッションに冠は必要ない。ファッションはファッション。冠を付ける必要ない包容力がある。(ブログより引用)』。 いい決断だったと自分は感じている。彼女の根本にあるコンセプトを知っていたからこそ、今度は自分が、そのおもいをデザインを通して人々に伝える番だと素直に思った。
001
無人の風景の表紙
協力いただいたモデルたちは、様々な環境を持つ一般の人たち。イメージブックを通して、その人たちの印象も伝えられるようなデザインを心がけた。イメージブックを見て、ファッションのデザインのみならず、ファッションを楽しむことを知って欲しい。彼女の新しいスタート、そこから始まる新たな出会い、そんな考えから、表紙のデザインには、あえてスタジオの無人の風景を採用した。エスプリローブは、今年のコレクションより骨格診断を取り入れることで、今まで以上に個人のパーソナルな部分を取り込んだデザインを行っている。さらなる飛躍を続けるエスプリローブを見守りたい。

writing by bungo yamamoto
client:アトリエ エスプリローブ[エスプリローブ]
referer:福田健治[株式会社フクマチ]
art direction:山本文吾(株式会社トンカチ)
editorial design:山本文吾(株式会社トンカチ)
photograph:加藤淳史[サン・ルゥ・ド・ヴァレンヌ]

OTHER ARCHIVE